お前ら、明日から全員坊主」ってなことは、さすがに言ったことはない。

でも・・・10年程前だったか、新卒で入ってきた新人君に、夏ごろだったか、それまでに何度も教えてきたことができていなくて、キツク説教したことがあった。彼は、その場で涙した。そして、週明けの月曜日・・・「五分刈り頭」で出勤してきた「一生懸命頑張ります」という言葉とともに・・・。

なんて、ことがあったなぁ。

ウチの事務所はスタッフ2〜3人程度のアトリエ。いわば「徒弟関係、でえぇくの熊さん、八っつあん」に近い職人修業スタイル。まさしく「同じ釜のメシ喰う」人間関係。スタッフには設計の技術以外に、対外的な心構え、設計者としてあるべき信条、などなど、日々折々の機会に散々仕込んでいる(自分自身にも言い聞かせている)、つもり。BOSSとしても、きてくれているスタッフには皆、ちゃんとした「技術・心構え」身につけて、立派に「自分の店」構えて独立して欲しいと、願っている。

自分もこれまでの仕事の経験(30年)で、数々の「痛い教訓」を得てきた。それらの痛い教訓は、その都度自分の肥やしとなり、その都度技術力を培ってきたつもり。人間悲しいかな、「痛い教訓」こそが最大の「教師」であったりする。「痛い教訓」のない仕事振り(保身的な仕事振り)では、大きく成長できないとも思う。ウチのスタッフには、そんなこともよく話す。ただ、これからの将来、BOSSと同じ「痛い教訓」を経験していては駄目だ。それは、すでに「知り得た知識」として欲しい。必要なことは、精一杯の尽力の上での経験であり、その上での新たな「痛い教訓」を積んでくれることだと思っている。